賃貸経営

第9回【サブリース契約の注意点と賃貸住宅経営はどんな会社に依頼すればいいのか?】

第9回【サブリース契約の注意点と賃貸住宅経営はどんな会社に依頼すればいいのか?】

サブリース契約とは

 サブリース契約は、土地活用で賃貸住宅経営を始める多くの方が利用しています。1棟タイプの賃貸住宅を経営される場合等においては、たいていの方が利用しているようです。
 サブリース契約は、PM会社(管理会社)による一括借り上げ契約で、賃料が100とすると、10~15くらいの手数料(管理料込の料金)を払って、もし空室が続くようでも、この85~90の収入約束する契約です。

 このサブリース契約は賃貸住宅経営を行う際において、収益が安定することなどメリットが多いのも事実ですが、サブリースにおける原契約(家賃保証)の金額が一定年次ごとに変更される契約となっているため、そのことについてきちんと理解していなかったということでのトラブルもあるようです。

サブリース契約のメリット

サブリース契約のメリットは、賃貸住宅経営で気をもまなくて済む、ということでしょう。

 「空室が出たらどうしよう?家賃の滞納があったらどうしよう?入居者が付くか?入居者とトラブルになったらどうしよう」、などという心配から解放されます。こうしたことから解放されることは、時間的な点では、定年後に賃貸住宅経営だけを行うというような方はまだいいとして、仕事をしながら賃貸住宅経営を行う方には、「そんな時間ないよ」ということもあって、多くの方が利用されます。

サブリース契約での注意点

 サブリース契約での注意点はいくつかありますが、なんといっても、一番トラブルが起こりやすいのは「家賃の減額」に関することです。
 減額が大きければ、ローン返済ができなくなる可能性さえもありますので、注意が必要です。
 一般的な契約書では、一括借り上げの家賃(保証された家賃)を数年に一度見直すとなっています。その見直しの理由としては、「経済状況や周辺の家賃事情などを考慮」して、改定家賃を決めるようですが、ここで、増額の場合はいいのですが、大きく減額となると「そんなこと聞いてなかった」となりがちです。
 ここでの注意点は3つです。1つ目は、当然ですが、こうした減額可能性が十分にあり得るとして契約すること。2つ目は、サブリース会社と契約する際に、近隣エリアの既契約物件の20年程度の契約改定の状況を聞いておくことです。そして、3つ目は、スタート時の契約家賃が適正かを確認することです。契約を取るためにスタート時だけ家賃を高くしておいて、大きく減額するという事例もあるようですので、きっちりと確認してください。

 最後にサブリース契約における、重要なポイントをお伝えします。
「サブリース契約はあくまでセイフティネットとして考える」ということです。「空室が出ても、サブリースするので安心です」というメーカーの担当者もいるかもしれません。しかし、これは大きな間違いです。正しくは、「空室の出ないような魅力ある賃貸住宅を建てましょう」そして、「万が一のために、念のためにサブリース契約もしておきましょう」という順序になります。

どんな会社に頼めばいいのか

 最後にどんな会社に頼めばいいのかについてです。どんなメーカーがいいのか?
ポイントは、3つあります。

  • 1)実績が豊富にあること
    全国的に施工実績があり、都市部郊外でも実績があること。多ければ多いほど色んなアイデアをもらえます。
  • 2)長期安定企業であることと管理グループ会社
    何度も述べましたように、賃貸住宅経営は30年以上の長きにわたるものです。その間に、もしメーカーが倒産すると、大慌てすることになります。
    また、建ててからの30年以上は管理会社との接点が多くなります。そのため、施工メーカーとの連携を考えると、系列の管理会社、あるいは自社内での管理部門があることが望ましいと思います。
  • 3)営業担当者の情熱だけに傾倒しない
    「あの営業担当者が気にいって契約しました」ということもあるようですが、長期間にわたることですので、その間に「もしその担当者が転勤したら?退社したら?」と考えると、営業担当者だけでなく、メーカーとの相性も判断の基準にする必要があります。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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