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コロナショック後のキャップレートの動きはあったのか?

コロナショック後のキャップレートの動きはあったのか?

 不動産投資において、不動産投資家が期待する利回りのことを「キャップレート」といいます。

 上図は、日本不動産研究所が4月と10月に調査・公表している「不動産投資家調査」のキャップレートの推移です。
 この調査は、期待利回りを中心として投資スタンスや今後の賃料の見通しなどを各種機関投資家、アセットマネージャー等に対するアンケート調査結果を基に分析を行ったものです。
 上のグラフを見ると、コロナショック前の2019年10月調査までは、キャップレートの低下が続いていました。コロナショック以降は、横ばいもしくは一部エリアで低下しているのが分かります。
 ここでキャップレートについて見ていきましょう。利回りというと、通常は、年間賃料÷不動産価格で算出されます。
 住宅賃料は、当然市況に左右されますが、短期間ではそれほど大きく変動しません。そこで、賃料やその他の要因が一定だとすると、キャップレートが低下しているということは、不動産価格が上昇しているということを意味します。

 コロナショックで、テレワークが浸透し、住まいについての考え方も変わりつつありますが、投資家が見た賃貸住宅市況は、現時点では大きな影響を受けていないようです。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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