[an error occurred while processing this directive]
2015年1月より相続税が改正になります。
今回の改正により、富裕層だけでなく、これまで「わが家は相続税なんて関係ない」と考えていた一般家庭でも、相続税の課税対象者が増えるといわれています。
万一の際にあわてなくてすむように、相続税改正のポイントと対策をご説明しましょう。
ご存じのとおり、相続税は亡くなった人(被相続人)の財産を残された親族(相続人)が受け継ぐときに発生します。
相続人には「基礎控除」があり、残された財産の評価額が基礎控除を超えない限り、相続税を払う必要はありません。
ところが、今回の改正ではこの基礎控除が大幅に減額になり、これまで相続税に縁がなかった人も相続税を払わなくてはならないケースが増えそうなのです。
改正前(2011年度) | 改正後(2015年度) | ||
---|---|---|---|
全国 | 被相続人数(死亡者数) | 125万人 | 以下、予測値 |
課税対象となる被相続人 | 5.1万人 (全体の4.1%) |
7.0万人 (全体の6%) |
|
相続税を納める相続人 | 11.5万人 | 17.5万人 | |
首都圏 | 被相続人数(死亡者数) | 23.8万人 | 以下、予測値 |
課税対象となる被相続人 | 1.6万人 (全体の6.7%) |
3.1万人 (全体の14.3%) |
●従来、相続税は亡くなった人の約4%だけが対象でした。ところが、改正後は約6%に増えることに。
●愛知、大阪など首都圏以外の都市圏でも、軒並み課税対象者が増えることが予想されています。
ただし、配偶者が相続した部分については大きな控除があり、法定相続分または1億6000万円のどちらか大きな額まで相続税がかかりません。問題は子どもが相続する分と二次相続。つまり残された親が亡くなったとき、子どもに相続税がのしかかる可能性が高まっています。
前述のような相続税改正に備えるためには、まず被相続人が所有する資産を把握することが大切です。 このとき、ポイントとなるのが、「資産の中に土地が含まれているのか、いないのか」。というのも、土地には相続税を軽減できる優遇策が複数用意されているからです。
土地の相続税評価額は、「更地」なのか、「自宅」が建っているのか、「貸家」が建っているのか、などの条件により大きく異なります。なかでも相続税評価額を大幅に減らせる制度として注目を集めているのが、「小規模宅地等の特例」です。
土地の種類 | A.自宅の土地 (特定居住用居住用宅地) |
B.商店・会社・工場の土地 (貸付事業用以外の宅地) |
C.アパート・駐車場の土地 (貸付事業用宅地) |
---|---|---|---|
上限面積 | 330m²(改正前は240m²) | 400m² | 200m² |
どんな土地? | 被相続人が住んでいた自宅の土地 | 被相続人が会社やお店など事業を営んでいた土地 | アパートや駐車場など、人に貸している土地 |
評価減になる 条件は? |
|
|
|
土地の相続税評価 | 80%減 | 80%減 | 50%減 |
80%や50%も相続税評価を減らせるのは、「土地」ならではのメリット。上の表をごらんになると、更地のまま土地を所有していることがいかに損であるか、おわかりいただけると思います。 更地ならアパートや駐車場へと「土地の種類を変える」ことが評価額の減額につながりますし、賃料収入も期待できます。
預貯金の残額や株価などで価値がわかる金融資産と違って、土地は一般の方にとってその価値がわかりづらいもの。ただ、一般家庭の場合、 普段から税理士やファイナンシャル・プランナーとつきあいがある方は少ないはず。「誰に調べてもらえばいいのかわからない」と行き詰まってしまう場合が大半ではないでしょうか。そのようなケースでは、まず身近に相続税対策を相談できる相手を見つけることが大切です。相談相手は必ずしも税理士やファイナンシャル・プランナーである必要はありません。土地や建物のことなら住宅メーカーや不動産会社にも専門知識を持ったスタッフがいるものです。
信頼できる相談相手が見つかったら、現在保有する資産の内容やその相続税評価額とおおよその相続税額を調べてもらうことです。そして、所有する土地の評価額を効果的に下げる相続税対策を打つことが、万一の際の安心につながります。