企業・法人の賃貸運用
これから求められる賃貸住宅とは、どんなものか?
求められる賃貸住宅は年々変化していきます。特に、20年春以降にまん延した新型コロナウイルスにより、社会のあり方・毎日の過ごし方が変化したことによる、賃貸住宅ニーズの変化は大きなものでした。
今回のコラムでは、「これから求められる賃貸住宅」つまり、「空室の出にくい賃貸住宅」について考えてみます。
賃貸住宅ニーズの2面性
ここ20年間で賃貸住宅の質は大きく向上しました。中でもハウスメーカーが建築する賃貸住宅は、それまでは無機質なイメージのプレバブ型賃貸住宅でしたが、外観・室内・設備、すべてが自用の住宅に引けを取らないレベルになりました。また、室内の防音レベル、階段上り降りの防音、断熱性能といった建物構造のスペックも大きく向上しました。
賃貸住宅需要は高まり続けていますが、それにともない入居者が求める要求レベルも高くなり、またどんどん変化しています。
日々進化している賃貸住宅ですが、賃貸住宅経営は建築してから少なくとも40年以上は行うわけですから、今建てた賃貸住宅に40年後もしっかりと入居者が付かないと経営が成り立ちません。そのために重要なことは、①時代の最先端の仕様にすること に加えて、②普遍的なニーズを盛り込んでおくこと が重要なポイントになります。
求められる間取り
新型コロナウイルスまん延からすでに2年以上経過し、リモートワークが当たり前となり、一般的なビジネスワーカーが週5日会社に行くという時代はもう来ないかもしれません。すでに平日も1日の大半を自宅で過ごす方が増えてきました。それに応じた賃貸住宅の間取りが求められます。
1人暮らし用のワンルームや1LDKタイプではリモートワークの部屋は不要です。しかし、1つの空間に長くとどまる事になりますので、外との一体感のある部屋作りが求められるでしょう。バルコニーを広めにとったり、外部との間の段差を少なくしたりといった工夫があってもいいかもしれません。
2人以上で暮らす場合は、外部との一体感に加えてリモートワーク用のスペースを作ると良いようです。セキスイハイムでは、ペアジェニックシリーズでこうした空間を実現しています。
これらは、今後普遍的な要素になるでしょう。
求められる2つの最新設備
また、長期の賃貸住宅経営を考えると、現在最新のシステムは、おそらく10年もすれば一般化すると思われますので、必ず取り入れるようにしましょう。10年以内に我が国の公道を走る大半の車は電気自動車になっていると思われますが、これと同じです。
たとえば、本サイトでも何度か取り上げたZEH基準を満たす賃貸住宅は、すでに新たに建てられる賃貸住宅ではスタンダードになっています。
また、今後は、エントランスから自宅の部屋、駐輪場や駐車場、ゴミステーションといった共用スペースまで、いっさい鍵が不要な「顔認証」システムが一般化されるでしょう。携帯電話で開けるタイプの鍵が広まっていますが、これでは携帯電話を忘れたり、携帯電話の充電が無くなったりすれば家に入れない、という事態になります。「顔」を持ち忘れることはありませんので、「顔認証」ならば安心です。
こうした今後スタンダードになるような新しい装備は、多少総額が上がるとしても、将来的にかつ長期的な競争力を考えると、迷わず取り入れた方がいいと思います。
より一層の収納力が求められる
これまでも、これからもさらにニーズが高まると思われるのは、収納スペースの充実です。
在宅勤務が増えて、自宅がオフィス機能を持つことになれば、自宅に書類やカタログなど、本来オフィスに置いていたものが、自宅に置かなければならなくなります。新たに書棚などを購入すると場所を取る事になりますので、備え付けの収納スペースが充実していれば、こうしたことに悩まなくて済みます。ワンルームや1LDKなどの広くない部屋でも、セキスイハイムの賃貸住宅商品なら、工夫次第でいろんな所に収納スペースを作ることができます。
収納スペースが工夫されており、可能な限り広く収納スペースがあること、これは普遍的なニーズと言えます。