税に関すること

賃貸住宅経営における収入と経費の計上について ~これで分かる!超入門 賃貸住宅経営でおさえておきたい税の知識④~

賃貸住宅経営における収入と経費の計上について ~これで分かる!超入門 賃貸住宅経営でおさえておきたい税の知識④~

 賃貸住宅経営は、その名の通り「経営」を行うことです。そのため、一定期間(=年単位)での収益状況を把握し、そしてそこで得られた不動産所得(不動産賃貸事業における所得は、事業所得とはいわず、不動産所得と呼ばれます)に応じて税金を納めることになります。

 賢く税を納めるためには、収入と必要経費を予測しておくことが重要になります。賃貸住宅経営には予測=事業計画をしっかりと立てておくことが重要です。しかし、税に関しては、結果=企業経営でいう損益計算書がその元になります。ここでは、損益計算書の元となる、売上(=収入)と販管費(=経費)の計上の仕組みについて解説します。

収入について

 不動産所得は、収入から必要経費を引いたもの、つまり差分(利益)になります。
収入は、月単位の家賃(年換算では×12)に加えて礼金・更新費用、駐車場などがあればその賃料となります。年単位の損益計算書に関することで重要な事としては、〆の月の収入については入金ベースではなく、発生ベースで家賃計上を行うということです。ある年の年末12月分の賃料が例えば1月5日に振り込まれたとしてもそれは12月分ですから、12月分として計上するわけです。未収金があっても同様です(貸し倒れ引き当てなどに入れる場合もあります)。
 礼金や更新費用は、契約した年次の収入として算入します。しかし、敷金は預かり金ですので、収入にはなりません。ただし、敷き引き(一定額は退去時に差し引きます)という契約がある場合は、その分は契約した年次に収入に含めることができます。

経費について

 経費は、該当物件の賃貸住宅経営がスタートした際にだけかかるものと、ずっとかかるものがあります。
 スタート時にかかるものは、登記費用(登録免許税)や不動産取得税、抵当権設定費用といった税にまつわる費用や物件取得のために仲介会社に依頼した場合等では仲介手数料などがあります。
 費用として常に見ておくものとしては、固定資産税・都市計画税(土地分+建物分)、管理委託費用、修繕関連費、保険料、ローン利息、そして建物の減価償却費用などです。また、入居者斡旋に伴う仲介手数料は、その都度かかります(毎年かどうかは入退去の頻度しだい)。
 これら必要経費は、〆の月(個人の場合は年末)までにその事が確定しており、業務が行われていれば、その年に計上することになります。修繕工事などで、工事が進行中の場合、支払いが行われていない場合は、未払い費用として計上することになります。

利益の確定

 こうして収入と経費の計上を行うと、利益が確定します。個人の場合、その他の収入(例えば、給与収入など)と合算を行い(これを損益通算と言います)、そこから各種控除が行われ、税の算定基準となる「総合課税所得」が定まり、税を納める(あるいは還付される)ことになります。

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