賃貸経営

第2回【土地活用にはどんな種類があるのか?土地活用の全体俯瞰】

第2回【土地活用にはどんな種類があるのか?土地活用の全体俯瞰】

 土地を売らずに、そこから収益を得る土地活用にはどんなものがあるのでしょうか。

最初の分類

 1つめに、①ただ単に「土地を貸す」というタイプと②「所有する土地に自ら何らかの建物を建てて貸す」というタイプがあります。
 ① の場合は、土地を貸すだけで、地代が入ってきます。
 ② の場合、建物を建てる建築費用が掛かります。賃料という形での収入となります。

 一般的に同じ土地ならば、②の方が収入は大きくなりますが、その分投資も必要ですので、ある程度のリスクを背負う事になります。企業等と一緒に土地活用をする場合、建物は土地所有者が建てて、内装は借り主(企業)が支払うといった、①と②の中間のような活用方法もあります。(建築協力金のスキーム)

最初の分類

土地活用の種類を全体俯瞰

 土地活用として行う賃料収入のパターンを次に列記します。
 1)のタイプ ・・いろいろとありますが、ここでは代表的なものを記載します。
 ① 定期借地として企業等に貸す
 ② 駐車場経営

土地活用の種類を全体俯瞰

 2)のタイプ
 ① 賃貸住宅(アパート)
 ② 賃貸マンション(RC)
 ③ 賃貸住宅(戸建)
 ④ 商業系施設(流通小売、飲食等)
 ⑤ 医療関連施設
 ⑥ 介護・高齢者関連施設(老人ホーム・サ高住・グループホーム)

土地活用の種類を全体俯瞰

それぞれの土地活用のパターンで、安定性、収益性、投資費用の大小、節税効果、などが大きく異なります。また、社会貢献・地域貢献というでも、大きく異なります。こうした点は第3回で詳しく述べます。

皆さんがお持ちの土地は、どのパターンがベストか?

 オーナーの方がお持ちの土地が、上記のどのタイプが最も適しているか(入居者が付きそうか、賃料はより高く取れそうか)は、周辺の状況を見れば概ね想像がつくと思います。ロードサイドなら、商業施設や医療施設等が向いていますし、郊外の駅から徒歩数分の土地だったら賃貸住宅が向いている、等だいたいパターンがあります。
 しかし、そのエリアの土地活用の専門担当者が見れば、需要に対しての物件供給状況等の検討から、違った最適策を提案する可能性もあります。また、その土地によって建築基準法上の制限がありますし、近くのエリアでも行政の区切りで条例が異なる等、周りの環境だけで、ベストな土地活用スタイルが決まるということでもありません。

 しかし、その場所は何がベストかの検討に加えて、あと2つ、忘れてはならない観点があります。1つめは、「オーナーの方がしたい事と合致しているか」という事です。例えば、あるワンルーム中心の賃貸アパートオーナー様は、「学生や若い社会人に住んでもらって、元気に頑張る毎日を応援したい」という思いで賃貸住宅経営を始められました。
2つめは、目的は何か?を再度考えましょう「遊休地を活かして少しでも収益を上げたい」、あるいは「相続税の節税を主目的としたい」等、どれくらいの収益をあげたいのか、どれくらいのお金なら借り入れてもいいと考えるのか。こうしたことも、言うまでもなく重要な点です。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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