建替・リノベーション

ユニット工法ならではの特徴を賃貸住宅の間取りやリフォームに活かす

ユニット工法ならではの特徴を賃貸住宅の間取りやリフォームに活かす

 セキスイハイムが1971年に世界で初めてユニット工法住宅を発売して、すでに約50年。セキスイハイムの賃貸住宅で多く用いられるユニット工法ですが、様々なメリットがあります。
 セキスイハイムのHPによると、「住宅をユニット単位に分割して、品質管理の徹底された工法で精密につくり込む、独自の「ユニット工法」を採用しています。建物のベースとなるのは、柱と梁を溶接し、一体化したユニットを積み重ねた「ボックスラーメン構造」。
高層ビルなどに用いられる建築技術を応用し、圧倒的な強さとプランの自由度の高さを実現します。」とあるように、「強さ」と間取りや可変性の「自由度」が大きな特徴といえそうです。

広い空間が取れる事と賃貸住宅ニーズについて

 ユニットを積み重ねた工法では、木造や一般的な軽量鉄骨造に比べて、空間が広く取れます。柱や構造材が出っ張りにくいため、1部屋あたりの広さが広く取れる事は、同一条件ならば、賃料を高く取れる可能性があるといえます。また、部屋の中に梁などがないということは、スッキリしたお部屋となり、入居者はその空間をストレスなく存分に使えます。
 さらに、この工法での部屋は外部との一体感を意識した間取りが作りやすくなります。ベランダとの一体感のある部屋、間取り、また1階ならば専用庭との一体感のある間取りをつくることが可能になります。新型コロナウイルスの影響により、外部との一体感のある部屋は、在宅時間が長くなることで開放感のある部屋のニーズが高まっています。これからの(いまの)時代にあった間取りといえそうです。

賃貸住宅におけるリフォームの必要性

 賃貸住宅のリフォーム工事は、近年1年あたり8000億円~1兆円程度行われています。これは住宅リフォーム工事市場の工事金額ベースで概ね1/5程度約20%を占めています。また、賃貸住宅のリフォーム工事の大半は、新築時施工会社のグループ会社や関連企業が行っています。ちなみにセキスイハイムでは、リフォーム・増改築を行うグループ会社のセキスイハイム不動産やセキスイファミエスがあります。
 賃貸住宅はオーナー様にとって投資になりますので、必要最小限に留めたいと思っている方が大半だと思います。しかし、長期的に見れば、水廻り設備や給湯器など、どうしても一定年数が経過すると古くなり、(あるいは旧式となり、装備が平均以下になり)、取りかえる必要が出てきます。これらは、おおむね15~20年が交換の目安です。
 また、屋根や外壁といったもしリフォームするならば大きなお金がかかる部位については、なるべく、維持メンテナンスコストがかからない仕様にしたいものです。セキスイハイムの賃貸住宅は、こうした維持メンテナンスコスト(ライフサイクルコスト=LCC)を可能な限り低く抑える仕様をお勧めしています。

間取り変更しやすいユニット工法

 賃貸住宅のリフォームは、入退去に伴う修理・修繕、そして先に述べた水廻り等設備品の交換といった、ハードの面から「しなければならない」あるいは、「できればした方がよい」というものがあります。
 そして、もう一つリフォームのパターンがあります。周辺地域の環境変化(ファミリーニーズからワンルームニーズが増加。)や市場トレンドの変化(例えば、カップル向けとして2LDKタイプよりも広めの1LDKの人気が出てきた、といった状況です。)に伴う間取りを変えるようなリフォームを行うというパターンです。

 こうしたリフォーム工事の場合、構造上「出来るor出来ない」という判断を行ってリフォームをするわけですが、ユニット工法の場合は、構造躯体がボックスタイプですから、他の工法と同じく水廻り位置の変更は難易度が高いですが、一方、2LDKを広めの1LDKにするといった間取りの変更は比較的容易に行えます。
 こうした可変性の高さは、周辺地域のニーズの変化にフレキシブルに対応しやすさ、ということになり、賃貸住宅経営において大きなアドバンテージになるといえるでしょう。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

関連記事