ハイム通信
人口の移動状況は、新型コロナウイルスの影響があったのか?

ある県から、例えば東京に移動する場合、その大半は「進学」もしくは「就職」、「転勤」等です。こうした方々の、最初の住まいの多くは賃貸住宅となります。そのため、人口の移動状況は、賃貸住宅経営に少なからず影響を与えます。
2020年8月の人口移動報告(外国人含む)で、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)から他の道府県への転出が転入を459人上回り、7月に続いて人口流出に当たる「転出超過」となりました。7月は、集計に外国人を加えた2013年7月以降で初めての「転出超過」で、しかも翌8月もですから2か月連続となりました。

東京都では既に5月に転出超過となっています。これも2013年7月以降で初となりました。ただ、5月に関しては、緊急事態宣言下で人の動きが制限されていたために転出超過となっていたと思われます。それでは、6月以降はどうでしょうか?実際の「withコロナ」の人の移動の姿を考えていきましょう。
6月は恐らく、4月5月に移動断念を余儀なくされた人たちによる転入が多かったため、6月は再び転入超過に戻りました。しかし、7月、8月になると転出超過が大幅に増えました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークの定着などが背景となっており、転出者数が増大したことが影響していると考えられます。転出者数を見てみましょう。

外国人集計を加えた2013年7月以降から2019年までの月ごとの平均と2020年の数を比較してみました。7月、8月と明らかに転出数が伸びています。
最後に都道府県別の転入超過数を比較してみましょう。

なんと東京都が最も転出超過数が多かったようです。一方で、千葉県や埼玉県、6位の茨城県、7位の神奈川県といった東京近郊のエリアや、3位大阪府や4位の福岡県などの地方都市の転入超過が際立っています。そんな中、北海道が2000人超の転入超過となりました。
このように、コロナショックの影響で、都道府県でも明暗が分かれた状況になっています。