ハイム通信
2020年年間の貸家着工戸数と建築主の割合について
国土交通省が1月末に発表した建築着工統計調査によると、2020年の全国新築住宅着工戸数は前年比マイナス9.9%の81万5,340戸でした。新型コロナウイルスの感染拡大などの影響が出たと考えられます。全カテゴリー合計値の減少は4年連続で、着工戸数は10年(81万3126戸)以来の低水準でした。
2020年の貸家着工戸数は、前年比マイナス10.4%の30万6,753戸でした。月別にみると、28カ月連続で減少している状況です。
ところで、オーナーの中には、賃貸住宅の供給過多を憂慮する土地オーナーの方もいるかもしれませんが、このように長期推移でみると、新規の貸家着工戸数は30年前の半分以下の水準となっており、近年は減少傾向にあるため、比較検討になりそうな貸家の数はそれほど多くないのが分かります。
企業に依るものと個人に依るものがほぼ半々となっています。しかし、この個人による貸家着工はここ数年で大きく下落しています。不動産投資家である個人が会社を作っている事例も多くみられるようになってきました。
2011年は7割を超えて、個人の建築主が占めていましたが、大きく減少しており2020年は45%となりました。
執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所