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旧耐震基準物件の9割が耐震診断を受けていない現状

旧耐震基準物件の9割が耐震診断を受けていない現状

 5年ごとに調査が行われる住宅・土地統計調査ですが、最新の調査結果は平成30年(2018年)分となっています。
 この平成30年住宅・土地統計調査では、「持ち家」について、建築事業者などの建築士に依頼して、地震に対する安全性について調べる耐震診断を2014年1月以降に行ったか否かの設問と、行った場合に耐震性能が確保されていたか否かを問う設問がありました。
 そこで、2018年時点の日本の建物(ここでは「持ち家」に限られます)の耐震性能について概略をみていきましょう。(注:あくまでも2014年以降に耐震診断を実施したか否かですので、それ以前にすでに耐震診断を受け、あるいはその結果から補強を行い、再度診断の必要は無しの状態の住宅も含まれる点に注意が必要です。)

建築の時期別にみた耐震診断実施率は以下の通りです。

 これを見ると1980年以前、つまり旧耐震物件の9割超が2014年以降耐震診断未実施であることが分かります。旧耐震基準であるにも関わらず、耐震診断の実施が進んでいないのが現状です。
 また、耐震診断をした1980年以前の建築物について、耐震性が未確保である物件はほぼ半数の49.1%に及びました。耐震診断をしていない建築物がすべてこの割合であるとは言い切れませんが、いずれにせよそれ以降の年代に比べて耐震性能が未確保である割合は各段に高いと言えそうです。

次に構造別にみていきます。

このように、木造の耐震診断実施率、耐震性能未確保率ともに低い数値となっています。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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