不動産市況

サイト検索から始まる賃貸住宅の選び方で支持される賃貸住宅とは

サイト検索から始まる賃貸住宅の選び方で支持される賃貸住宅とは

 賃貸住宅志向が高まる中、賃貸住宅需要の高まりが続いています。また、賃貸住宅建築は22年春以降前年同月比でプラスが続いており、このところ賃貸住宅供給数は増えています。賃貸住宅経営をスムーズに行うためには、安定した入居者の確保、安定した賃料の維持が欠かせません。とくに築20年を超えると、築年数の観点で競争力が落ちますので、20年以降も選ばれる賃貸住宅になりたいものです。

サイト検索での賃貸住宅の絞り込みが賃貸物件選びのスタート

 賃貸住宅を選ぶ際には、まずは立地、家賃、間取り(広さ)をざっくりと決めてから物件探しを始めます。その際に、いまやいきなり不動産会社の店舗に行き物件紹介を依頼する方は、少なくなりました。これは都市部・地方の区別はなく、賃貸部分探しのスタートは、「物件サイトでの検索」です。
 その賃貸住宅物件サイトは、近年いろいろな趣向を凝らしたものが増えてきました。写真を多用しているもの、住まい方を提案しているもの、もちろんシンプルなすっきりしたサイトもありますが、どの物件情報も少なくとも外観写真はあります。
 賃貸住宅を選ぶ際の条件として、①エリア(最寄り駅やアドレス)・家賃・広さの条件を入力して物件を絞り、次に②外観などを見て、「いいな」と思った物件をクリックして「物件詳細」を見る、という流れが一般的です。外見の第一印象が「イマイチ」と判断されると、次のステップに進めないというのが現状です。

賃貸物件見学の現状

 では、次のステップとして、どれくらいの物件を実際に見学するのでしょうか?
部屋探しの際に見学した物件数の平均は、(株)リクルートの調査によれば3.1部屋(調査データは2021年度賃貸契約者動向調査(首都圏):リクルートSUUMOリサーチセンター調査:公表2022年9月15日より、以下同)となっています(物件見学ナシの方も少なからずおられ、その方もサンプル数に含めれば2.9となります)。同2005年調査の時は5.1部屋で、その後徐々に減少。2019年には2.9部屋となります。以後20年3.0、21年3.1と僅かずつ増えています。
 この背景には、物件検索サイトが増え、サイトの内容が充実したことでPCやスマホで物件検索をじっくり行った上で、物件見学を行う方が増えたことにより、徐々に見学数が減ったこと、そして近年の上昇は「オンライン内見」が増えたことが背景にあるものと思われます。

賃貸住宅における外観

 こう考えると、外観が「イマイチ」の物件は、賃貸住宅需要が旺盛なエリアであったとしても、競争力が劣ると言わざるを得なくなります。「空室の出にくい賃貸住宅」を考えるならば、まず外観を「いい感じ」にする必要があります。
 「いい感じ」の外観と言っても感じ方はそれぞれですが、「スッキリした外観」「スタイリッシュな外観」「重厚感のある外観」などでしょうか。いずれにしても、賃貸住宅建築では外観にこだわりたいものです。

築20年以上でも古さを感じさせない賃貸住宅とは?

 新築時には「いい感じ」の外観でも、築20年を超えると、トレンドの変化などから、「古い感じ」がするなど、大きな差が生まれます。
 新築から10年くらいの間は、見た目が綺麗でも、外観を形成する素材の劣化などが起こり、とくに築20年を超えると大きな差が出ます。また、そもそも検索サイトで物件選びをする際にも築20年以内の物件を選ぶ傾向にあります。「築20年の壁」とも言える、ここからが勝負と言えるステージになります。
 そのためにも、セキスイハイムが採用しているような、「スッキリ」していて、普遍的な建物外観は、「古臭さ」を感じない仕上げになっています。また、汚れにくい外壁素材の採用、経年劣化しにくい外壁・屋根素材は、この築年が経ったときに、「多くのお金をかけなくても」、新築時の雰囲気を保つことができることでしょう。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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