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賃貸住宅はアフターコロナを見据えた「こだわり」の時代へ

賃貸住宅はアフターコロナを見据えた「こだわり」の時代へ

 2022年から23年の賃貸用住宅(貸家)の新築着工件数は、かなり増えてきました。21年3月から23年3月まで25カ月連続して前年同月比でプラスが続き、その後4月は前年同月比ではマイナスとなりましたが、それでも2万8000戸を超えており23年の年間では、今のペースが続けば、35万近くの建築戸数となりそうです。仮に35万戸を超えれば、2018年以来となり、コロナショック前の水準に戻ったことになります。
 そんな中で、最近の賃貸住宅は、長く選ばれる物件であるために賃貸住宅の「こだわり」と「高品質化」が進んでいるようです。メーカー各社は、コロナショック後に開発を始めた新規商品を投入してきており、「アフターコロナ」を見据えた賃貸住宅商品が登場しています。今回の原稿では、「アフターコロナのこだわり」が進む賃貸住宅のトレンドについて解説します。

間取りのこだわり

 新型コロナウイルスの影響で広まったリモートワーク(在宅勤務)ですが、第5類への移行により、オフィスへ出社する方が戻ってきています。いくつかの調査データでは、23年夏の時点で、オフィスへの出社率は概ね7~8割程度まで回復しているようです。しかし、「在宅勤務」そのものを止めた企業はほとんどないようで、併用しているというのが現状のようです。仮に8割とすれば、単純計算で週5日のうち1日は在宅勤務を行っているという状況のようです。週に1回くらいは自宅でリラックスして仕事をする、というイメージでしょうか。
 このようなワークスタイルはすでに定着している感もあり、とくに賃貸住宅ユーザーの多い20~30歳台では、「今後も」そして「たとえば、家族ができても」週何回かは自宅で仕事をするスタイルとなることでしょう。こうしたことから、これから建築される賃貸住宅では、「仕事もしやすい賃貸住宅」であることが求められるでしょう。

具体的には、

1)家事と仕事を両立しやすいオープンスタイル(LDKなどを工夫した間取り)

2)集中しやすいクローズスタイル(すき間スペースを有効活用)

といった、さまざまなバリュエーションがあるワークスペース。
また、

3)ミーティングなどがしやすいように防音対応(ワークスペースの位置の工夫)

4)長時間の在宅ワークに耐えうる寒さ・暑さなどの対策が施されている仕様であること

などがあげられます。
とくに、4)の仕様は、省エネ=「在宅勤務で電気代などが増える」対策にもなります。

 セキスイハイムが提案する「ステイ&ワーク」仕様の住宅では、これらの工夫が満載となっています。

心地よさのこだわり

 アフターコロナ時代に入って、外食する機会が徐々に戻っているようですが、しかし「1軒目で帰宅する」というスタイルが定着しているようです。在宅時間が増えて、「家で心地よく過ごす」を意識している方が増えました。賃貸住宅にも、その対応が求められます。
 たとえば、テラスや庭、ベランダといった外と室内との一体化をイメージした間取りは人気が出てくるでしょう。テラスやベランダを第二のリビングとして、また気候のいいときにはワークスペースとしての活用です。外と室内がフラットで出入りのしやすく、開放感がある間取りは、換気という視点でも支持を集めるでしょう。

共有スペースのこだわり

 このような傾向のなかで、共有スペースにこだわる賃貸住宅も増えてくることも考えられます。建物から出ることなく、しかし気分転換に部屋からは出たい、とうニーズです。セキスイハイムが建築した賃貸住宅の中には、入居者が自由に利用できるコミュニティスペースが設けられていたり、共有ガーデンがあったり、BBQ専用スペースがあったりと、こうしたスペースで入居者間の交流を促進するようにしています。単なる賃貸住宅というより、プライベートが保たれた「社員寮」のようなイメージです。

セキスイハイムの賃貸住宅だからできること

 セキスイハイムが建築するユニット工法での賃貸住宅は、耐震性能が高いことだけでなく、このようなシンプルで飽きのこない、開放的な暮らしを演出することに向いた工法といえます。アフターコロナに求められる「こだわりの賃貸住宅」に相応しい仕様と言えるでしょう。ぜひ、資料や現場見学会などで、実例をみてみるといいでしょう。

執筆者一般社団法人 住宅・不動産総合研究所

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